2015年2月17日火曜日

夢の国の技術考察:「立体視」、結局どうなってんの?(1)

こんばんは。大学のレポートも落ち着き、ようやく春休みがやってきました。
ブログ始めた当初から「(覚え書き程度でも)書かないとなー」と思ってたネタをそろそろ。
まあ、ディズニーネタですね。これをちゃんと調べたのは2年前くらいになりますが、思い出しながら、もう一度まとめておきたいと思います。(主に自分のために)

(夢壊す要素を取り扱います。苦手な人は引き返して。)

 

東京ディズニーリゾートには、「ミッキーのフィルハーマジック」や、「マジックランプシアター」、過去には「ミクロアドベンチャー」、「キャプテンEO」などといったように、3D映画を映画館でよく見られるようになる前に3Dシアタータイプのアトラクションを運営していた経歴があります。

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最近では、ライドに3D映像を組み合わせたトイストーリー・マニア!や「スターツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」もスタートしました。

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とにかく、ディズニーと3D(立体視)はわりと切っても切れない関係にあります。ところで、立体視って結局どうやってやってるかご存じですか?
今回は立体視の手法に焦点を当てて、適当にメモしていきます。

立体視の原理?(ほぼおさらい)

立体視に用いられる手法は様々なものがありますが、基本的に原理はすべて同じです。人間の目は、網膜に映る像を認識するようになっていますが、2つの目でもってようやく3次元の物体を認知することが出来ます。
これはホイートストンのステレオスコープによって実証されていますね。
(実際の生活上には、それは立体であるという認識がすでにあるために、片目を閉じていてもモノが立体物であることを認知できるようです。立体視に使われるスクリーンは平面ですから、意識による奥行き感はないことになります。)

で、2つの目は物理的に数cm離れていますから、図(適当でごめんなさい)のように、網膜に現れる像に差が出ます。これを両眼視差といいます。
両眼視差が奥行き感を作り出している正体です。つまり、両眼視差どうこうの計算はともかく、手法的には、右目と左目で別の像を見せられればOKというわけです。
とりあえずはこんな感じで。今回は手法に焦点を当てるので、原理は別の像を見せられればいいということだけ覚えておいてくれればOKです。

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手法にはどんなのがあるの?

今現在、映画館やディズニーリゾートなどで使われている立体視の手法には次のようなものがあります。

アナグリフ方式

一昔前の俗に言う「赤青メガネ」を用いるタイプです。ディスプレイにも、プロジェクターにも使えます。
欠点は、恐ろしく目がちかちかすることと、色がRとBの1色ずつしか各目に出ないので、色の表現が恐ろしく苦手です。
利点は、メガネが色つきプラ板だけでなんとかなるので、超安価だということ。
今では殆ど見なくなりました。

液晶シャッター方式

液晶を用いたメガネを使って、リアルタイムで通信を行うことで立体視させる方式です。XpanDやnvidia 3D visionなど。液晶・プロジェクターを問いません。
利点は、色情報が抜け落ちないので、きれいなままで映像がみれること。また、メガネの透明度が高めなので、基本的にシルバースクリーン(後述)が必要ない点。
また、方式の特性上、どうしてもちらつきやすいという欠点と、メガネに電池が必要だったり、赤外線通信用のエミッタが必要などの欠点があります。
あと、プロジェクタもかなり高速なフレームレートに耐えられるような、高価なものでなければなりません。その代わり、プロジェクタの台数は1台でOKです。

偏光方式

偏光の方向によって更に分類があります。TOHOシネマズのRealD方式(円偏光)や、IMAX 3D方式(直線偏光)などなど。
ある一定方向の波のみ通し、それ以外はシャットアウトする偏光板を用いる方式です。シアター系ではこれが主流です。なお、液晶では使えません。
利点は、メガネが偏光フィルタを用いるだけでつくれるので、比較的安価です。
欠点は、ゴーストと呼ばれる上手く焦点が合わないときに発生する残像が出やすいことです。そのため、映像に下処理をしておく必要があります。
さらに、シルバースクリーン(銀粉を均一に塗布したスクリーン)を用意する必要があります。これは、偏光フィルターを通したときに輝度が落ちるためです。ただし、このシルバースクリーン、通常のスクリーンの数十倍の値段がするそうで。あと、プロジェクターもL・R用に2台必要です。
(これは直線偏光の場合のみですが、頭が動くと立体視効果が薄れやすいようです)

☆ディズニーリゾートでは、「ミッキーのフィルハーマジック」や、「マジックランプシアター」、「トイストーリー・マニア!」「ミクロアドベンチャー|キャプテンEO」(この2つはそもそも同じ建物)で採用されています。

分光方式

特殊なフィルター(フィルターホイール)を用いて色の波長を分解し、分光メガネを用いて左右に別々の像を送ります。こちらも液晶だと使えません。
色の表現がものすごくきれいですが、メガネとフィルターホイールがめちゃくちゃ高いです。しかし、プロジェクタが1台で済むなどの利点もあります。
この方式であれば、シルバースクリーンを用意するのも、赤外線エミッタも不要です。ただフィルターホイールを取り付けて、メガネを用意するだけでOKです。
☆ディズニーリゾートでは、「スターツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」で採用されています。

視差バリア方式

眼鏡がいらない、液晶TVなどに搭載されています。3DSや液晶TVなど。
あんまり詳しくないので書けない…

 

ぶっちゃけライド系のアトラクションについてではないので、ディズニーの技術っぽくないですが、(2)ではそれぞれの仕組みについてもーちょい書きたいと思います。
(続く)

References

原理端折りまくったので、この辺で補完していただければ。

http://www.kitakyu-u.ac.jp/env/_static/page/env/images/_p17-18.164ad101d6477f0956edc8e6d108389e.pdf
http://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/perception/depth.html